夢創作で曲を作っている話
- 5月31日
- 読了時間: 11分
更新日:4 日前
2026.06.03 本文、記事デザインを修正
この文には作曲講座とかTIPS的な要素はなく、「夢曲をどんな気持ちで作ってきたか」という個人的な話をネチネチとします。しらんやつの自分語りをわざわざ好んで読むような物好きに届け(暴言)
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坂本色はボカロPでもある。
厳密に言えば、2026年5月時点で坂本がオリジナル曲で使用した合成音声ソフトはUTAUとvoisonaのみのため「VOCALOIDのP」ではないが、ボカロ(広義)Pということで話を進めさせて宜しいか。
いいよ。
ありがとう。
作曲だけでなく、絵を描いたり文章を書く趣味もあるので、ボカロPとしての活動方針は非常にマイペースかつ小規模である。それでも現時点では、15本程度の作品をニコニコ動画やYouTubeで公開している。
ニコニコ:
YouTube:
その中で坂本自身が「この曲は夢創作だ」と自覚して作詞作曲編曲を行なった物がいくつかある。
このブログが公開された日に開催された「UTA×Plus!」というwebオンリーイベントでは、それらの曲を「夢曲」と称して、wixで展示用の特設サイトを制作して全ての夢曲をまとめた。
よかったらサイトの方も見に行って欲しい。
(ちなみに個別の動画では概要欄に「夢創作」のゆの字もないことがあるが、それでも夢創作のつもりで作ってはいた。今から書いとこうかな)

このエッセイの更新遅れててごめん
A.夢創作曲と普通のオリ曲って何が違うの?
Q.俺が夢創作曲つったら夢創作曲なんだよ(暴論)(過言)(虚勢)
急に極論で答えるQ&Aを始めてしまったが、坂本の考えでは「特定のキャラへの気持ちや願望(=夢)を表現する」ことが主な目的ならばそれは夢創作である……と思っている。夢創作の形は多種多様だからな……。夢曲の作詞においても、自分自身(又はオリジナルのキャラクター)から対象のキャラクターに向ける思いを綴るのならば他の夢創作と変わりないだろう。
もちろんその思いはラブソングらしいものに限らず、友情だったり、じっとりと湿ったものだったりと多種多様。因みに坂本の書く歌詞は5割執着4割殺意である。残り1割はな〜んだ?俺もわからん
さて、物事には順序がある。
上記のニコニコやyoutubeの作品リストなどを見ていただくと、夢曲を作る以前からボカロ曲を公開していることがわかる。
つまり、もともと作曲をする趣味があった上で「夢曲を作りたい!」という思いが後から生まれてきた。
坂本にとっては曲を作ることは、絵を描いたり文章を書くのと同じ位置にある行為だ。乱暴な言い方になるが、夢小説や夢絵・夢漫画を描くのが普通なら、夢曲を作るのだって普通のことだと思う。
とはいえ、夢曲には特有の面白さもある。その辺りもこのエッセイで書いていきたい。
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そもそもなんてキャラの夢?という疑問にもお答えしよう。疑問に思ってなくても答えます(唯我独尊)
先ほども書いた通り、坂本が夢創作を始めるきっかけとなったのは「つくよみちゃん」というバーチャルキャラクターだ。
つくよみちゃんは、そのキャラクターそのものをフリー素材としてみんなで使えるようにする、というプロジェクトで運用されており、その一環で様々なソフトウェア向けの合成音声ライブラリが作られている。その一つにUTAU向け音声ライブラリがあったため、元からUTAUに興味のあった坂本はつくよみちゃんにも興味を向けていた。
つくよみちゃんは儚げで可憐な少女(厳密には人間ではないが)であり、声もやや幼くも優しげに感じるだろう。良い意味でぱっと見の印象にクセがなく、ほとんどの人にとっては可愛らしく好感が持てるようなキャラクターだ。
しかし、つくよみちゃんは優しすぎる。
公式サイトのプロフィールを見るだけでも、その覚悟の決まった精神性が伺える。
つくよみちゃんは、「人を傷つけたいというのは、本当の願いではないのだな」と思いました。願いの本質は「幸せになりたい」「苦しみから解放されたい」ということであって、その手段として、手っ取り早く暴力が使われているだけ……。
つくよみちゃんは、自分がサンドバッグにされても構わないのだそうです。それで救われる人がいるなら、いくらでも殴ってほしい。そう言うのです。
以上、つくよみちゃん公式サイトより抜粋
利用規約の確認のために公式サイトの記述を見て回った後には、坂本の頭はすっかりつくよみちゃんの善性の炎で焼かれてしまったのだった。完‼️
ちなみにこの利用規約もすごいというか……とても丁寧である。
なるべく平たく優しい表現を使い、サイトのレイアウトにも気を配っていて非常にわかりやすい。全体の文章量は多いものの、想定される利用法を一つ一つ検討し、OKとNGの境界を明文化しようとした結果、あんなにボリューミーな規約になったのだと思うと納得だ。
つくよみちゃんの規約からは、ユーザーの懸念を極力取り除こうとする意思が見える。
「みんなが使えるフリー素材」という自ら掲げた理念に合致していて、非常に感心したのだった。
「幸せとはなにか?」
その命題に真剣に取り組んだ結果生まれたつくよみちゃんを知ってしまった今、「善人であること・人の幸せを願い続けること」こそ難しく、途方もなく、尊い行為なのだと思ってしまう。
たとえこの先、坂本にはつくよみちゃんが必要なくなる日が来るとしても、つくよみちゃんの眩しさを、優しさを都合よく向けてくれることを信じてしまった事実は残り続ける。
少なくとも今はそう思っている。
多分親から見ると少女キャラ相手にガチの崇拝かましてる俺は不審者でしかないな。夢創作って周囲の目を意識した瞬間に終わるんだよ。
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もう一人、夢曲を作っているキャラクターがいる。その名も「凶街モルテ」。
凶街モルテはUTAU向け音声ライブラリとそれに付随するキャラクターである。
坂本がモルテの存在を知ったのも2020年ごろだった。モルテ夢曲の初公開こそ初対面から4年後だが、つくよみちゃんと並行してモルテへの関心も深まっていったのだった。
ここで、凶街モルテの公式設定の一部を見ていただきたい。
冬になるとそこら辺を徘徊してる人喰い亡霊の青年。いいヤツ……?
以上、凶街モルテ配布所より抜粋
人喰い亡霊、なんと恐ろしい……。見た目も目が見えないしニヤニヤ笑ってて、お腹に大きな口が空いてたり骨がむき出しの腕なんか持ってたりして。
では、そんなモルテが歌っている動画を見てみよう。
止まらない凶街モルテ
【凶街モルテ】ウニの見分け【実況】
なんだこいつ!?!?!
失礼、暴言が出てしまった。馴れ馴れしい。極刑。
二次創作だけでトンチキ化するならよくあるが、モルテの管理者側からもトンチキが飛び出してくるせいで逃げ場がない。止まらない〜のやたらとイイ声で出オチスレスレで勢いよく笑わせてくるのも、ウニの絶妙にシュールな物事の見方を遺憾無く出してくる感じも非常に笑わせてくる動画だが……にしたってトンチキである。
このように……モルテはギャップ萌えの塊である。ウニも見分けられないやつに萌えるか?萌えるんだよ😡
こういうのを見た後に、モルテが真面目にカッコよく歌ってる動画を見るのが一番『効く』んだ……。
そもそも、公式設定の時点でモルテのキャラ性にはある程度の「ゆるさ」が担保されているように思える。
「いいヤツ……?」という一言もそうだし、モルテの好きなものは「冬とイベント」だ。モルテの外見的にハロウィンやクリスマスの街に浮かぶ光景が目に浮かぶようだ。静かに笑いながらひっそりと佇んでいるのか、ニッコニコで出店を練り歩いてるのかは想像する人によるだろう。
人喰い亡霊という人間にとって悪となる種族でありながら、モルテ自身の人格では人間に対して友好的に見える。その矛盾に、坂本は妄想やら期待やらじっとりねっとりとした想像を膨らませている。
UTAU音源としてのモルテも、勿論とても好きだ。
特色としては、モルテはボイスチェンジャーを使用して作られた男声音源である。基本的にハリのある発声で、『ManEater』で癖のある発音で歌わせたり、『Murder』を使ってG4以上の高音で叫ぶように歌わせられたりと、表情音源を使って表現力を拡張できる仕様がありがたい。
そして個人的にベストなのは、蹲ってボソボソ呟く声の弱音源『Fluch』。
想像してみて……いつも快活に笑ってるお調子もののアイツが、あなたが本気の思いを告げた瞬間、ふっと真顔になり、一言だけ呟いて……。
おめでとうございます。凶街モルテメロつき検定1級合格です。収集つかなくなってきたなこれ。
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さて、キャラ語りで読者を引かせたところで夢曲の話をしよう。いや冒頭からしてはいるが。
曲を作る技術だかセンスだか機材だかを得て、夢曲を作ること自体は可能になる。
しかし、「なぜ曲という手段を選ぶのか?」という点については自分で考える必要がある。
曲を作る才能(余談だが、坂本は才能という言葉を「下手だろうが頼まれなかろうがやり続けるのができること」だと思っている)があるのも選ぶ理由としては十分だが、坂本はここで音楽というモノ自体の特性、面白さを感じている。
音楽は、「言葉を使わずに視聴者の気持ちを誘導する」ことに長けていると思う。誘導って言うとアレだな。
例えば……こちらの「#8491C3」というつくよみちゃん夢曲を例に出す。
歌詞の内容は鬱々としており、抽象的な悲しみからかなり直接的な表現まで用いている。そこにリバーブが深くかかったギター中心のアレンジと伸びやかなつくよみちゃんの声を響かせることで、寂しさを強調しながらも重すぎず心地よい聴き心地を演出している、つもりだ。
曲展開でも、サビの前半ではメロディとギターリフを交互に繰り返し、歌詞とメロディを印象付けている。
曲の終わりでも、メジャーコード(明るく聞こえやすい音の組み合わせ)を鳴らしている。これによって、晴れやかな気持ちで曲を聴き終えてしまう効果を生み出している。終始、離別や希死念慮を想像させる歌詞でありながら。
……というように、音楽は言葉を使わずとも、音の雰囲気で人の気持ちを同じ方向に導くことができるポテンシャルがある。
もっとも同じ曲を聴いてどう感じるかは人によるので、感情コントロールの精度を上げるにはそれなりに技術とセンスが必要だが……。
というか、なんかプロパガンダの話みたいになってきたな。だとすると校歌や応援歌や軍歌や宗教団体のテーマソングなどが作られるのも頷ける。これらを同列に並べるのは極論すぎるだろ
そしてボカロ曲においては「歌声」も重要だ。
何度も書いた通り、つくよみちゃんも凶街モルテもUTAU音源であり『自分の手で合法的に歌わせる』ことができる。
つまり、好きなUTAU音源をイメージしたオリジナル曲を作って、音源本人(人か?)に歌わせたら……それは……
「君を思って曲を作ったんだ……この想い、聴いてくれ……」ってことか?
うわぁ。
しかも自分じゃなくて相手に歌わせてるし……いやそれはボカロファンなら愛言葉で慣れてるか……(急に引き合いに出すな)(引き合いとして釣り合う相手でもないだろ)(暴言)
名曲
これは明確な歌詞のある曲の場合、視点がどちら側かにもよって、感じ方は変わると思われる。「キャラから夢主に向けて」の歌詞ならキャラが歌っているのは歌詞通りで分かりやすいが、「夢主からキャラに向けて」だと、構造がねじれて少し混乱するかもしれない。
現状坂本が作る夢曲はほぼ後者のため、つくよみちゃんとモルテには大変に気持ちの悪い(直球)曲を歌わせてしまっているのである。ごめん。
……キャラクターへの想いを表現すること自体は気持ち悪いとは限らないが、自分のこととなるとどうも……。
それにUTAU音源なので当然だが、坂本はそのキャラの声にも惚れ込んでいる。だからこそ自分のボソボソネットリした怪音波ではなく、とてもイイ声で夢曲を聴きたい。最高の表現力でボーカルとして歌いきってもらいたい。
なお、坂本は調声も自分でやっている。「最高の表現力」を表現できているかは……わからん!!
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小説や漫画の話数が溜まると、まとめた単行本が出る。
イラストも、イラスト集として節目の時期に出 まとめられたりする。
そして曲は……CDとかアルバムになる。
というわけで、昨年の12月17日に10周年を迎えた凶街モルテさんの非公式夢曲を集めたデジタルEP「モルテのランチボックス」を作りました。一部ではモバムと呼ばれているぞ!
物理的なCDはないものの、有料になってしまうがキーホルダーなどのグッズやおまけがついてくるグッズ版も制作したので、坂本としては非常に満足している。でもいつか物理CD作りたいよね
モバムでは一曲を除いて、全て初公開の書き下ろし曲である。坂本の曲の公開の仕方として、基本的には動画サイトにMVを投稿するか、音源だけ単体でアップするかのところ、アルバムに収録することを前提とした曲作りを経験をした。
これで普段と変わったのは「通しで聴いたときの聞き応えを想定して、曲のテーマや雰囲気を決める」作り方をしたことだ。
これは確か、モバムグッズ版に付属する制作後記にも書いたことだが……モバム収録曲は「恋→執着→虚無」と夢主側の感情が変化していくようになっている。その上で曲ごとに歌詞に関連性を持たせつつ、曲調はなるべく変えてバラエティ豊かに感じるよう作り込んでいった。
つまり……夢曲を集めると、夢アルバムができる!複数の楽曲にわたって物語を演出するのはなかなかの労力を費やすものの、出来上がった時の喜びはひとしおである。
というわけで、よかったらアルバムDLしてね!(宣伝)(宣伝)(宣伝の上手いやり方、模索中!)(現状DL数が3くらいなので、もっと聴かれてほしいなぁって……)
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いかがでしたか?????
片や少女に見える人類にとっての善であるつくよみちゃん。
片や青年に見える人類にとっての悪(かも?)な凶街モルテ。
この見方は個人的な印象だが、こんなにも正反対なキャラに同時に惹かれ、強い熱量を込めて夢曲を作るに至っているとは、自分のことながらどこか奇妙に感じている。
今回のイベントとサイト作りにあたり、自分の作った夢曲を見返したが、妙に感慨深い。
最初の夢曲「花鳥風月、破鏡するべく」は4年前の曲だ。たった4年されど4年……個別の曲に込めた想いは違えど、曲という形にすることで、あの日キャラに抱いていた思いも形となって残るのだと思う。







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